2014年05月30日

じゃあお前が代わりに入れよ

今日は転職の話である。私の同期社員の一人は、就職して2年くらい私と同じ会社で働いた後、住宅メーカーの営業へと転職していった。彼は、転職するときに民間企業の転職エージェントを利用した。転職エージェントを使うと、良い求人を効率よく紹介してもらえるのである。

彼は優秀な人物で、システムエンジニアとしてもずっとやっていけたのだろうが、結局は営業社員としての人生を選んだ。彼が転職活動をする中、何人もの転職エージェントに言われたそうだ。「あなたの履歴書はとてもキレイですね。学歴も良いし、転職歴もない。今働いている会社も申し分ないです。どうして辞めようと思うのですか?」と。

彼は、「何言ってんだ?じゃあお前が代わりに入れよ。」とはもちろん言えない。「ただ、自分にはもっと向いている仕事があると思ったからです。」としか言えなかったそうだ。当たり前である。本音を言えば、彼は当時働いていた私の会社が嫌で嫌で仕方がなかったのに。

ここでは彼が、私の会社のどこが気に食わなかったかは具体的には述べない。ただ私が言いたいのは、会社が嫌で転職することは悪いことではないということだ。世の中の多くの人は、非常にたくさんの不満を抱えながらも、同じ会社で働き続けている。それを考えれば、今いる会社を捨てて転職に踏み切ることは勇気があってよいことかもしれない。むしろ、全く会社に不満がなければ、転職しようと思う人などいないのではないかと思う。

私の勘では、日本全国の転職者のうち、9割以上は組織に何らかの不満があって転職をしている。たまに、「不満がない時に、ちょっと他にやってみたいことがあって転職するくらいの方が、後がうまくいく」なんて話を聞くけれど、そんなことは夢物語だ。現実はそう甘くない。今に不満がないのなら、その現状に感謝して環境を大事にした方がいいと思う。これはあくまで私の価値観である。つまり、私は保守的なのである。

これまで、多くの同期社員が転職していった。その中で、同じIT企業でステップアップの転職をして行った人は一人くらいしかいない。その人は、今は外資系企業の技術者として海外を飛び回って働いている。彼だけは、自分の夢を追いかけて成功した道を歩んでいる。彼の場合でさえも、私と同じ会社で働いていた頃は、「自分のやりたいことがなかなかやらせてもらえない」と不満を募らせていた。

その成功した彼以外の転職者は、ほとんどは単に私の会社の仕事がキツくてもっと楽なIT企業に転職したり、冒頭の彼のように営業など全く異業種の仕事に就いている。中には、教師弁護士などの「士業」を目指して学生に戻る人もいる。要は、同じ業界でさらに高収入や良いキャリアを目指して転職する人よりも、自分を大事にするために、少しばかりレベルを落として転職していく人たちの方が多いのが現実である。

外資系に転職して成功した彼は、アジア系のハーフで、英語を含めて4か国語が話せる。しかも、今は仕事が楽しくて楽しくて仕方がないんだそうだ。彼は性格も良いし、何よりもやることがパワフルだ。たぶん、私と彼では作りが違うんだろう。

もし私が転職するとしたら、間違いなくレベルダウンの転職になると思う。そしてその時、転職エージェントに言うだろう。「何言ってんだ?じゃあお前が代わりに入れよ。」


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2014年05月27日

ウイルスバスターの戦略

先日、実家に帰省した時に、「ウイルスバスターのポップアップが出るけど、一体どうしたらいいの?」と母から質問を受けた。母はもう還暦を過ぎており、コンピュータのことはさっぱりわからない。

ウイルスバスターは、トレンドマイクロ社のウイルス対策ソフトである。私の実家のPCには、このウイルスバスターがインストールされている。母から質問を受けたときにPCの画面を見てみると、確かにウイルスバスターのポップアップが右下に出ており、次のような表示がされていた。

トレンドマイクロ.jpg

面白いのは、「Google Chromeの設定を変更してください。」と表示されていることである。実家のPCは、帰省時に私が使うこともあるため、Google Chromeをインストールしてある。しかし、私が実家にいることは滅多にないため、母を含む家族全員がInternet Explorer(IE)を使用しており、Chromeを起動することはまずない。そして、規定のブラウザには当然IEが設定されている。なのにウイルスバスターは、Chromeの設定を変更しろと言っているのだ。

上記ポップアップの、「ヘルプの表示」を押下すると、トレンドマイクロのこちらのページに飛ばされる。よく読むと、どうやらこれは、Chromeにウイルスバスターのツールバー、Trendツールバーをインストールするための設定らしい。ご丁寧に、手動で設定をいじる必要のない修正モジュールまで用意してある。トレンドマイクロも面白いことやってくれるじゃないか、使っていないブラウザに無理矢理必要ないアドオンをインストールさせるなど、ウイルス同然の行為である。

で、Trendツールバーにどんな機能があるか調べてみると、大した機能はないようだ。いろいろと難しい説明がこちらに書いてあるが、要するに主機能は次の3つであった。

【Trendツールバーの主機能】
・Trend プロテクト
Webサイトと、Webサイトの検索結果の安全性を評価する。
・無線LANアドバイザ
使用可能な無線LANを評価し、セキュリティ上危険な無線LANに対して警告を発する。
・キー入力暗号化
Webサイトにアクセスしているときの入力を暗号化し、キーロガーなどのスパイウェアから入力情報を保護する。


非常にいらない機能ばかりである。家族が普段使っているIEのアドオンを確認してみると、既にちゃっかりとTrendツールバーがインストールされている。アンインストールしてあげてもいいくらいである。私がアホらしいと思うのは、こういったわけのわからないポップアップを、トレンドマイクロが全てのコンピュータに対して表示させていることである。Google Chrone?Trendツールバー?還暦を過ぎた女性が、そんなコンピュータの仕組みなどわかるわけがないじゃないか。これは、情報弱者に対する貧困ビジネスである。

これまでも、トレンドマイクロに対してはそのビジネス戦略に疑問を感じていた。例えば、ウイルスバスターはこれまで、年が変わると、「ウイルスバスター2012」「ウイルスバスター2013」というようにバージョンアップを繰り返してきた。そのために、エンドユーザはわざわざトレンドマイクロのWebサイトに行き、自己解凍ファイル(EXE)をダウンロードして実行しなければならないのだった。2012年版も2013年版も大して違いはないのに、大変面倒なことをやらせてくれるものである。

ビジネス的には、これは大変意味のあることだ。おそらく、ウイルスバスターの2012年版も2013年版も大して違いはない。もし、バージョンによってウイルス定義ファイルの中身が違うのであれば、大変な騒ぎになる。「2012年版では感染するのに、2013年版でないと防げないウイルスがある!」なんてことはあり得ない。たぶん、上記のTrendツールバーに似た軽微な差はあるのだろうが、私の母のようなコンピュータにうといエンドユーザから見たらわからないようなものであろう。

ではなぜこんな意味のないことをするのか?それは、「セキュリティソフト業界が競争の激しい業界だから」というのが理由のようだ。ウイルス対策ソフトには、トレンドマイクロ以外にも、シマンテックマカフィーなど大手のセキュリティソフト会社がいくつか存在する。フリーのウイルス対策ソフトも多数存在しているようだ。だから顧客の取り合いが発生している。そのために、セキュリティソフト会社は、自社のソフトを少しでも「新しく」見せなければならない。コンピュータにうといユーザほど、新しいものを欲しがる傾向がある。もしあなたの家の家電製品が新しいものに変わったら、仮に機能が全て使いこなせていなくても、何かワクワクするだろう。それを企業は狙っているのだ。

私は、これまでずっと、意味もなくバージョンアップを繰り返すトレンドマイクロのビジネス戦略を馬鹿馬鹿しく感じていたし、今回のポップアップの巧妙さを知って、非常にこの会社に対する印象が悪くなった。何よりも、トレンドマイクロの必死さを感じるのである。

私は数台管理しているPC全てにウイルスバスターをインストールしており、数年単位でずっと契約更新をしてきたが、これを機会に、他のウイルス対策ソフトに乗り換えてみるのもよいかもしれないと思った。

(参考)
「ブラウザの保護を有効にする」というメッセージが表示されます
「Trend ツールバー」機能とは
ウイルスバスター2014年版はいつ発売されますか?


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2014年05月24日

あんたの会社の人はアスペばっかりだ

「アスペ」とは、もちろんアスペルガー症候群の略である。これは、会社の同僚が奥さんから言われたことである。

ある日、仕事をしていると、同僚が一人でぶつぶつ言いながら私に話しかけた。彼は、前日に奥さんと子どものことでケンカをしたらしい。その時に奥さんから、「またそんなアスペみたいなこと言って…。あんたの会社はそういう人ばっかりじゃない!」と言われたのだそうだ。「あんたの会社」ということは、私も含まれるのだろうか。

彼が奥さんとケンカに至った経緯を説明すると次のようになる。彼には小学校低学年の子どもがいて、ある日子どもが、学校から算数のテストを持って帰ってきたという。点数はともかくとして、問題の一つに関して私の同僚は疑問を持った。

【問題】
「リンゴが3個あります。リンゴを1個食べたら、何個残るでしょう。」
【正答】
「2個」もしくは「2つ」

しかし、彼の子どもは、解答欄の枠の中に、「2」と書いて、不正解となっていた。理由は、「2(個)」または「2(つ)」まで単位を書いてなかったからである。皆さんはどう思うだろうか。私の個人的な意見としては、これは算数のテストなのだから、数字だけ書けばよいと思う。つまり、彼の子どもの解答は正解でもいいのではないかと。

私の同僚も私と同じように思い、奥さんに相談してみたのだそうだ。彼はモンスターペアレントではないから、もちろん、学校にクレームをつけるようなことはしていない。彼と奥さんの会話を抜粋すると、以下のような感じになる。

同僚「なぁお前、この問題…うちの子がリンゴの単位を書かなかったという理由でバツにされてるけど、おかしくないか?」
奥さん「そう?単位まで書くのが普通じゃない。だって、何個って聞かれたら普通、2個とか2つって答えるでしょ。」
同僚「そりゃあ日本語的にはそうだけど、これは算数のテストなんだぜ。」
奥さん「知らないわよ。単位まで普通に書かなきゃいけなかったのよ。」
同僚「じゃあお前、例えば『空の色は何色?』って聞かれたら、お前は何て答えるんだ。」
奥さん「青。」
同僚「そうだろ?だったら、必ずしも『青(色)』なんて単位まで答える必要ないじゃないか。」
奥さん「またそんなアスペみたいなこと言って…。あんたの会社はそういう人ばっかりじゃない!」

この会話は面白いことこの上ない。なぜ奥さんがアスペルガー症候群のことを言い出したのかは不明だが、アスペルガー症候群は、記事「自閉症の子どもとの付き合い方」で述べたように、以下のような特徴がある。端的に言えば、「変な人」と言いたかったのだろう。

【アスペルガー症候群の特徴】※
・人の表情・相手の言葉の意味・周りの空気が読めない
・記憶力が極端に良い
・ルールを忠実に守りたがる
・同じことをしていても飽きない
・人と目を合わせない
・手をひらひらさせたり、体を前後にゆすったりする癖がある
・ひとりごとが多い
・痛みなどの感覚が鋭かったり鈍かったりする
・健常者から見て、個性的な性格をしている
※アスペルガー症候群は、自閉症のうち知能指数(IQ)が高いものを指すため、自閉症の特徴と共通することが多い。

私は、自分も彼の意見に賛成だと伝えた。すると同僚は、話を終えた後、私の反応を見て、「俺の同僚は、俺の意見に賛成だったって嫁に言っとくよ。」と言っていた。彼の奥さんから見たら、やはり私も「アスペ」に含まれるようだ。

(参考)
自閉症の子どもとの付き合い方
アスペルガー症候群とサヴァン症候群の違い


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