2014年09月30日

私の会社はぬるま湯かもしれません

時々、自分よりも賢くてリスキーな人々が一体どういう考え方をするのか興味を抱くことがある。以前から、元外資系戦略コンサルタントブログをたまに見ているのだが、彼の記事を見ていると、自分の会社がまるでぬるま湯のような気がしてならない。「ぬるま湯」という言葉は、以前、先輩が別のもっと厳しいプロジェクトに異動になった時にも言われたことである。「君たちのプロジェクトはぬるま湯だよ」と。

コンサルタントは、通常の会社を事業会社と呼んだりする。この事業会社というのは、言葉の通り、商品やサービスを売って事業を営んでいる会社のことを意味する。一方、コンサルティングファームは、コンサルティングサービスを提供している事業会社ということも言えなくもないが、形がないものを売っているために、事業会社とは区別しているようなのだ。

私の会社はソフトウェアを販売する事業会社であるが、「戦略コンサルティングファームでの1年間は、事業会社の3〜5年に相当する」とも言われる。ほぼ全ての戦略コンサルティングファームでは、「Up or Out」という人事ポリシーが貫徹されており、これは、「成長し上に上がるか、さもなくば去るか」ということである。そして、通常の会社では考えられないほどのスピードで、成長し、上のポジションに上がることが求められるようだ。

冒頭のブログの著者は、こういった理由から、戦略コンサルティングファームで働くことを、ドラゴンボールに出てくる「精神と時の部屋」であると述べている。普通の会社だと、例えば、私の働いているような伝統的大企業であれば、同じ役割や仕事を数年から、長ければ10年以上やっていく場合がある。ところが、戦略コンサルタントの場合、細かく見れば1年〜1年半くらいのスパンで、上の役割へと次々と引きずり上げられていくという。これが一番大変らしい。当たり前である。慣れない重い仕事を次々とこなさなければならなくなり、結果を残せなければ辞めざるを得ない。非常に厳しい世界である。

私の友人が勤めている日系の会計コンサルティングファームはまだ優しい。その友人の会社の人事ポリシーは、「Up or Out」ではなく、「Up or Stay」だという。これは、私の会社とほぼ同じである。仕事に失敗してもクビにならないし、成長できなければ昇進できないということである。うちの会社にも昇進できない社員は腐るほどいる。まさに「7割は課長にさえなれません」の世界だからだ。

戦略コンサルティングファームは、そういう意味で、「コンサルとは何だか、人身売買みたいなところがある」という。例えば、プロジェクトリーダーが、あるプロジェクトに対して、「4人のチームを組むぞ」と決めて、「じゃあこいつと、こいつと、こいつ」といった具合に社内の人間を引っこ抜き、アサインしていく。中には誰からもお呼びがかからず、どのプロジェクトにも入れない社員も出てくる。そういった社員が真っ先にクビになるのだという。だから、コンサル業界は非常に人の入れ替わりの激しい業界で、「1年で25%ぐらいは入れ替わる」とのことらしい。

そして、クビ切りのやり方は次のようになる。上司が成績不振者を部屋に呼びつけ、「君はこの業界でやっていくのは難しい」とはっきり宣告する。その上で、会社としても支援をするから、ほかの職場を探したらどうか、と提案するのだという。彼らは会社を去ることを前提に転職活動をして、やっとの思いで新しい居場所を見つける。そして表面上は笑顔を取り繕って辞めていく。

戦略コンサルティング業界はこのような体質を持っているというのだ。しかし、そういうことをよく調べた上で、クビになる可能性を覚悟で外資系企業に飛び込んでいく社会人学生も多い。こればかりは、その人の思い描くライフスタイルによるとしか言いようがない。私に言わせれば、「きっとうつ病になる暇さえないんだろうなぁ…」という感じである。

(参考)
うまくいっている時に成長はない
コンサルファームを辞めて、事業会社に転職しました
「退職しました。」系エントリーに学びが多い件 - NAVER まとめ
外資系企業、非情な“クビ切り”の実態 (1/2)
戦略コンサルタントはハードワークで大変な仕事だと聞きます
コンサルタントの口癖「事業会社」って何のこと?


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2014年09月29日

Web上の自殺防止活動「夜回り2.0」について

先日、自殺について調べていて、自殺防止に対する非常に面白い取り組みを知った。その名も、「夜回り2.0」である。“夜回り”と聞いてもピンと来ない人が多いと思うが、これは水谷修氏が行なっている非行少年・ホームレス状態の人などに対する相談・支援活動のことである。

それに対し、今日の記事で紹介する「夜回り2.0」は、伊藤次郎氏(通称JIRO氏)が行なっているWeb上での自殺防止活動のことで、水谷氏が行なっている“夜回り”と、ティム・オライリー氏が提唱した“Web2.0”の概念をかけ合わせた造語だと思われる。

この夜回り2.0では、JIRO氏が立ち上げたNPO法人(特定非営利活動法人)OVA(オーヴァ) で自殺防止の活動を行なっている。その手法は、主にインターネットで自殺リスクを抱えている人が検索しがちなキーワードを抽出し、その検索結果から連動した相談ページに導き、自殺を防止するというものである。

例えば、自殺をする確率の高い人々は、「死にたい」「助けて」などのキーワードで検索することが非常に多いと考えられている。そういったキーワードで検索した際に、匿名・無料メール相談ができるサイトに導き、そこから相談者の声に耳を傾けていくのである。これは、社会から孤立し、相談相手がいない自殺ハイリスク者を助けるのに極めて有効な手法だと思われる。

現在、若者の自殺が非常に増えており、20代の死因の1位が自殺となっている。これは衝撃的な出来事である。しかも、アジアでは、日本を超える自殺率の国は、スリランカ韓国だけであり、韓国と日本は自殺率において大差はないとされる。この原因は、過度な受験戦争就職戦争、さらに所得格差、正規雇用/非正規雇用、経済的な問題など、20代の若者に対して人生を左右する上で非常に大きなプレッシャーがかかっていることを意味する。しかも、そうした競争社会の中で脱落し、精神的に落胆した時、現代の日本は、若者が孤立しがちな社会になっている。これでは、若者の自殺者が増えるのも無理はない。

元々、このOVAのJIRO氏は、働く人のメンタルヘルスの領域で活動していたソーシャルワーカー(精神保健福祉士)だったそうだが、「20代の死因の1位が自殺」という事実に強い危機感を覚え、インターネットを介した自殺防止の活動に興味を持ったそうだ。近年では、インターネットも、パソコンを持っていなくてもスマホなどで簡単にアクセスできる時代に変化している。そういった若者をターゲットに自殺防止活動を展開しようというのである。

このアプローチでは、自殺ハイリスク者が、「どんな方法で自殺するか」を調べるだろうという仮説に基づき、100以上のワードを選定し、それらに連動して表示される検索連動型広告を掲載している。また、そのコストの低さも素晴らしく、1名の自殺ハイリスク者との相談までにかかる費用はたった137円で、コストパフォーマンスも高いようだ。ピンポイントにターゲットにリーチでき、素早く、かつコストも抑えられる手法が素晴らしいと、他の自殺防止活動家ニュースメディアからも高い評価を得ている。

これまで、OVAは任意団体だったが、2014年7月からNPO法人化し、今後は相談員も増やし体制を拡大していく予定だそうだ。協力関係にある和光大学との研究成果も取り入れ、科学的分析を一般化し、より効率的な夜回り2.0活動を展開していくとしている。現在の日本はこういった取り組みがもっと多く必要である。今後の活躍に期待したい。

(参考)
自殺防止の相談窓口について
検索サイトを利用した“攻め”の自殺防止活動「夜回り2.0」
OVA
壁と卵 | OVA(オーヴァ)代表 JIROのブログ―夜回り2.0の開発と実践―
自殺と精神疾患について


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2014年09月28日

マイスリーの副作用で不安が出たという話

この前、私と同じくメンタルを病んでいる同僚から面白い話を聞いた。睡眠薬のマイスリーについての話である。彼は、1〜2年前にメンタルを病み、不眠の症状が現れたため、内科でマイスリーを処方されていた。彼は精神科には通院しなかったため、抗うつ剤などの処方はされなかったが、マイスリーを飲むとよく眠れるということで、非常に喜んでいた。どのくらいの量を処方されていたのかわからないが、おそらく5mgを毎日就寝時に飲むだけだったのだと思う。

彼はその後1年近く内科に通院し、マイスリーを飲み続けていた。しかし彼には、睡眠障害以外にも、仕事中に漠然とした不安感に襲われる不安神経症が現れ、それだけはどうしても治らなかったという。本来であれば、内科から精神科クリニックに転院し、専門医に抗不安薬などを処方してもらうべきかと思うが、彼自身そこまで行動を起こすこともなく、1年もの間、悶々とした仕事生活を送っていたようだ。

ところが彼は、ある忙しい時期を境に通院をやめ、手持ちの薬が切れたため、そのままマイスリーの服用を止めてしまった。すると、驚くべきことに、彼自身が抱えていた理由のわからない不安感もすっかりと消えてしまったというのである。(これは、本人の体験談だから真意のほどはわからない。)本人曰く、「それまではマイスリーのおかげで漠然とした不安感に襲われていたが、今では仕事内容が変わっていないにもかかわらず、毎日楽しい仕事生活を送れている」というのである。こんなことがあり得るのだろうか?

私は、マイスリーの副作用に「不安」があるかどうか調べてみた。

【マイスリーの副作用:精神症状】(参考)
・もうろう状態
・異常行動
・夢遊症状
・興奮
・取り乱す
・幻覚

上記の通り、マイスリーの副作用について調べてみても、「不安」という副作用はどこにも見当たらない。それどころか、主たる効能に、「不安や緊張感をほぐし気分をリラックスさせて、自然に近い眠りに誘う」とある。これでは、私の同僚の証言と全く食い違っているではないか。一体どちらが本当なのだろうか。

しかしながら、インターネット上でマイスリーの体験談について調べてみると、マイスリーを飲んだことで悪夢を見るということはよくあることのようだ。悪夢は、症状名だと、「睡眠時随伴症」と呼ばれ、睡眠中に交感神経系の興奮を伴い、恐怖の叫びをあげたり泣いたりして目覚め、覚醒後その出来事を想起できないというものである。これについては、上記の副作用にもしっかりと記述されており、「夢遊症状」がこれに該当するものと思われる。しかし、私の同僚にはそういった症状は一切ないのである。

私は、睡眠薬は服用した経験がないが、マイスリーにはこういった副作用があることを知っていたので、同僚にそのことを教えてあげた。すると彼は、「別に悪夢は見ない。それどころか、飲んだ後はよく眠れる。」とのことであった。

いまいち辻褄の合わない話だが、マイスリーに悪夢の副作用があるのと、服用期間中の不安障害には大きな関連性がありそうだと思った。なぜなら、覚醒時に不安感があれば、それが睡眠時の精神面へも影響するのが普通だと思ったからである。とにかく、この話を聞いて、睡眠薬を服用する際には、精神面への作用も注意深く観察する必要があると思った。精神医学は、教科書的な勉強の仕方では理解できないことばかりである。

(参考)
ゾルピデム:マイスリー
寝付きを良くする睡眠薬。マイスリー...
マイスリーについて質問です。今までマイスリーを処方されて寝るために飲んでいま...
睡眠時随伴症(パラソムニア) とは - コトバンク
不安障害 | 不安神経症 | パニック障害とは


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