2015年09月30日

Not Taking Risks is a Risk

最近、ログミーでTEDのまとめを見ていたところ、「Not taking risks is a risk」という文字が目に留まった。これは、社会起業家の小林りんさんが述べた言葉である。(参考)

「Not taking risks is a risk」は、「リスクを取らないことがリスクになる」という意味である。TEDの動画の中で、小林りんさんは、「次世代の子どもたちにとって、リスクの取り方や困難な状況を乗り越える方法を学ぶことが必要不可欠である。」と述べている。

小林りんさんは、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)の代表理事を務める教育者である。彼女の経歴がWikipediaに載っているが、これが非常に華々しい。彼女は東京大学を卒業後、スタンフォード大学にて修士号を取得し、モルガン・スタンレーの日本法人やユニセフに勤務した経験を持っている。つまり、彼女は自分の行動を通して道を切り開いていくタイプのエリートである。

私は、彼女の「Not taking risks is a risk」という言葉は、彼女自身の経験から出てきたものだろうと思う。失敗を恐れず、リスクと取っていけば、リターンは大きいというものだ。しかし、私のように普通のサラリーマンから見れば、本当にこの考えが正しいかどうかは疑わしい。

まず、私が思うに、ここでは“リスク”という言葉があまり明確でない。リスクとは、「あることをすると、危険に遭う可能性や損をする可能性があること」を示すものであるが、これは個々人にとって意味が全く異なってくると思う。

例えば、私にとってリスクと言えば、「会社を辞めて起業する」とか「海外に単身留学して職を探す」ということがそれに当たるだろう。もちろん、現在の慣れた職場を辞め、単に転職するということも小さなリスクになる。しかし、私にとってそのリスクを取るに値するリターンがあるかどうかはわからない。

ちなみに、私はこれまでの人生で今まで大きなリスクを取ったことはない。大学を卒業して普通に就職し、安定した職に就いている。結婚もしていないし、家やマンションも買ったことがない。しかし、この普通のリスクを取らない生活が、“リスクになる”というのが小林りんさんの主張のようだ。端的に言えば、私はその考えには反対である。

私は、この世界にはいろいろな人がいて良いと思う。小林りんさんのように、次々とやりたいことを見つけて所属を変えていくのも良いし、私のように一度自分の居場所を見つけたら、そこにできるだけ長く居続けようとするのも良い。少なくとも、その経歴だけを見て、「リスクを取っていない」と言われるとすれば、それは非常に不快である。

私はリスクを取っていないが、これまでに常に最善の選択をしてきたつもりである。それは私が単に失敗を恐れているからではなく、“取り返しのつかない失敗をしたくない”からである。私は、できれば同じ会社の上司たちのように、今の会社を定年まで勤め上げる人生を送りたいと思っている。

「Not taking risks is a risk」という言葉は、非常に聞こえはいいが、何か選択を迫られた時、常にリスクを取るのが正しいわけではないと思う。

(YouTube)
Creating Tomorrow's Leaders Today: Lin Kobayashi at TEDxKyoto 2013
(Wikipedia)
小林りん
(参考)
「悲観は気分、楽観は意志」 学校をつくるために"寄付金15億円"を集めた教育者が語る、未来の切り拓き方 - ログミー
小林りん(Lin Kobayashi) ホームページ


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2015年09月27日

自閉症の天才、ジェイコブ・バーネット君

前回、ギフテッドである矢野祥君のことを書いたが、今日はもう一人天才少年を紹介しようと思う。彼は、ジェイコブ・バーネット君という1998年生まれのアメリカ人である。

ジェイコブ君が最初に有名になったのは、2012年にニューヨークで開催されたTED×Teenでプレゼンを行なったことがきっかけだと思う。彼は、それ以前にも10歳(※)でIUPUI(米インディアナ大学−パデュー大学インディアナポリス校)に入学し、2011年にTime誌で紹介されるなど、注目される人物であったが、TEDの動画という形でYouTubeに拡散され、世界中にその名を知られることになったようだ。

※彼が大学に入学したのは8歳の時だとの記述も見かける。

彼は、3歳の時に5000ピースのパズルを完成させるという類まれな集中力を見せ、成長するにつれ紙に幾何学模様や計算のようなものを書き始め、やがて窓に公式を書きなぐるようになったという。彼は現在、カナダにある理論物理学ペリメーター研究所の博士課程に在籍している。

ところで、面白いことに、彼は生まれてから2歳で自閉症と診断されたという。というのも、2歳の時の彼は、言葉を話さず、細かいことに集中し、まるで何も考えていないかのように見えたためにそのように診断されてしまったようだ。彼自身によると、彼は空中を見据えたまま、そこにある光の反射や影について考えていたというのである。医師からは、「彼は一生学習しないし、考えることもない、話すこともないし、靴のひもを結ぶこともない。」と言われたらしい。

ちなみに、最近では、どんな赤ちゃんも本当は言葉を話す前から論理的に思考しているということがわかってきている。それに関してはこちらの動画に詳しい。

ただ、彼の類まれな集中力のせいか、彼は現在でもアスペルガー症候群と診断されており、その症状を克服するために日々努力している。この話を聞くと、天才というのは確かに一筋縄ではいかないということがわかるだろう。

では最後に、彼はギフテッドなのだろうか。前回の記事で紹介した矢野祥君は、明らかに優れた能力を持つギフテッドだった。しかし、今回紹介したジェイコブ君には、「自閉症」「アスペルガー症候群」という精神疾患がつきまとっている。これは、全てをうまくこなしているように見える矢野祥君には見られないことである。

私はこれらの2人はインターネットの記述で知ったに過ぎないので、彼らが精神面でどのように普通の人と異なっているかはわからない。しかし、事実として、ギフテッドの児童は注意欠陥・多動性障害(ADHD)自閉症と診断されてしまうことが多く、注意が必要だという。

私には、「ギフテッド」という言葉は、「全てを簡単にこなす天才児」という意味を含んでいるように思えてならない。しかし、仮にジェイコブ君が重度のアスペルガー症候群であったとしても、彼が社会に多大な貢献をしているという意味では、ギフテッドに違いはないだろう。

(YouTube)
Forget what you know | Jacob Barnett | TEDxTeen
(TED)
ローラ・シュルツ: 驚くほど論理的な、赤ちゃんの心
(Wikipedia)
Jacob Barnett
ギフテッド
(参考)
ギフテッドと矢野祥君
13歳少年 IQ170の天才の条件は「学ぶことを今すぐやめよう」 - ログミー
アインシュタインよりIQの高い12歳、ビッグバン理論の論破を目指す
【天才】14歳で大学院生「IQ 170の天才少年」“天才になりたければ学ぶことを止めろ"


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2015年09月24日

ギフテッドと矢野祥君

ギフテッドと呼ばれる人たちがいる。英語では「Gifted」で、「天から与えられた資質」を意味する。ギフテッドは、先天的に高い能力を持っている天才児のことである。

私は頭の良い人が好きなので、ギフテッドの人たちには以前から興味があった。私が最初にギフテッドという言葉を知ったのは、2004年に味の素のCMで、矢野祥君という日系アメリカ人の少年の画像が流れた時である。その時は、テレビでさも矢野祥君がアインシュタインに勝るかのような演出で舌を出している画像が流れた。

【矢野祥君(味の素のCM(2004年))】
Yano Sho.jpg

彼は1990年生まれの日系アメリカ人だが、幼い頃から勉強とピアノの能力に秀でていたという。11歳の時に彼と面接したシカゴ大学のジョエル・シュワブ医学部教授は、「精神的に成熟しており、自分が何を求めているかを明確に伝えることができる人物」と評価した。彼は9歳でロヨラ大学に入学し、主席で卒業した後、18歳でシカゴ大大学院で生物学と医学の博士号を取得した。つまり、彼は医者になったわけである。

上の写真はずいぶん幼く見えるが、当時の彼は13〜14歳である。今はそれから10年以上経っているので、おそらくもっと成長していることだろう。よく考えれば彼は私よりも何歳か年下なだけなので、外見の面では私とそれほど大差はない。

彼の凄いところは、早いうちから人間的に成熟していたことである。天才児は社会性や協調性に欠けると言われることが多いが、彼は幼い頃から精神的にも成長していた。彼は他人の痛みが分かる人物であり、自身の偏見に対する共感からか、大学では小児科を診療科目として選んだそうだ。

ところで、彼には5歳年下の妹がおり、彼女も矢野祥君と同じくらい頭が良いという。一般的に「ギフテッド」という言葉は、“先天的に”天才である人たちを指すが、兄弟2人ともが天才となると、もはやそれは家庭環境の影響ではないかと思いたくなる。もしかしたら、2人の身体に組み込まれている遺伝子が彼らを天才たらしめているのかもしれないが、それよりも私は両親の努力を褒め称えたい。

この兄弟の話は書籍としても出版されており、インターネットにも多く記述が残っているので、興味のある人は見てみるとよいと思う。

(Wikipedia)
矢野祥
ギフテッド
(参考)
偏見から守り続けた母の愛 天才少年一家の軌跡


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