2013年10月21日

薬の半減期に関する思い違い

私が現在処方されているサインバルタは、半減期が12時間と短めである。にもかかわらず、一日一回の服用と指定されている。だから、私が最初にこれを聞いた時、一日一回の服用では効果が切れてしまい、服用回数が足りないのではないかと思った。普通に考えれば、半減期が12時間の薬は一日二回服用しなければならないはずである。しかし、それは思い違いだったのである。今日はそういう話をする。

そもそも半減期(血中濃度半減期)とは、薬の成分の血中濃度が半減するまでの時間のことを指す。これは、一般に薬の血中濃度が最高値の半分以下になると断薬症状が出やすくなることから、薬が作用する時間の目安とされている。

例えば、リボトリールの半減期は27時間と長めである。「長め」という言葉の意味は、一日一回の服用で十分効果が途切れることなく持続させることができるという意味である。次の図がリボトリールの半減期の大まかなグラフである。

リボトリール.jpg

つまり、リボトリールは服用2時間後に血中濃度が最大値に達し、以降27時間以内は効果が半減することなく持続するという意味である。だから一日一回の服用で十分なのである。それに対し、サインバルタの半減期は12時間である。これは、12時間経つと、薬の効果が切れる(または薄れる)可能性があることを意味する。次の図がサインバルタの半減期のグラフである。

サインバルタ単回.jpg

確かに、これでは12時間で効果が切れてしまう。だから、これでなぜ一日一回の服用で大丈夫なのだろうかと不思議に思い、薬剤師に質問してみることにしてみた。以下が私と薬剤師の会話である。

「サインバルタの半減期はどのくらいなのですか?」
薬剤師「サインバルタの半減期は12時間程度です。だから、なるべく朝飲むようにして下さい。夜に効いても仕方ありませんから。」
「しかし、私は医師からは夜に飲むよう指導されているのです。どうしてこれで、血中濃度が丸一日維持できるということになるのですか?」
薬剤師「半減期は確かに12時間ですが、だからといって24時間経ったら血中濃度が0になるわけではありません。上の図を見て下さい。血中濃度の減少がなだらかな曲線を描いています。従って、24時間経っても血中濃度としては1/4程度残っているのです。」

なるほど、24時間経っても1/4程度は血中に残っているわけだ。だから、あまり心配しなくてもいいのはわかった。けれど、結局のところ、効果が薄くなることに変わりはないのでは?しかし、薬剤師はさらに次のように説明する。

薬剤師「これに加えて、毎日薬を反復投与し続けると、血中濃度が0にならない間に薬を飲み続けることになります。これにより、服用後の最高値が日を追うごとに徐々に上がってきます。それが次の図です。これは服用後7日後まで続き、8日目以降は最高値が安定すると言われています。」

サインバルタ反復.jpg

へぇ、つまり、薬の効果が完全に切れない間に服用し続けることで、半減期が来るのを遅らせてるってわけだ。なるほど、勉強になった。上の図を見ると、1日目は確かに12時間で半減期が来るが、2日目になると半減期が来るのが48時間くらいになっている。大雑把に説明するとこういう原理になっているということだ。だから、服用を勝手に止めずに毎日欠かさず薬を飲むことが重要だということなのね。単純に半減期が12時間だからといって、一日二回が普通だと思い込むのは間違っているということなのだ。

薬剤師は、私みたいに薬の効果や持続時間について詳しく聞く患者は珍しいと言っていた。あと、今日のグラフは全て私の手作りである。血中濃度の推移などは正確でないので(特に最後の図)、鵜呑みにしないよう注意していただきたい。


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posted by 良源 at 00:00| 薬物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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